1960年代にDHT(ジヒドロテストステロン)が関与していることが示唆され、DHTはテストステロンから5α-還元酵素により変換されることが判明し、1983年米国メルク社によって5α-還元酵素阻害薬であるフィナステリドの合成に成功しました。その後、1997年に米国食品薬品局(FDA)に承認され、1998年に男性型脱毛症治療薬として米国にて発売されました。日本でも2005年10月11日に万有製薬が厚生労働省の承認を得て輸入を開始して現在に到っております。
フィナステリドは男性型脱毛症の原因物質である、DHT (ジヒドロテストステロン)の産生を抑制致します。
DHTは5α-還元酵素によってテストステロンから産生され、男性型脱毛症の進行を促進させると言われています。
その還元酵素である5α-還元酵素のⅡ型を阻害し、促進を妨げる薬品として服用剤プロペシアが誕生しました。
参考:5α-還元酵素はⅠ型とⅡ型が存在し、Ⅰ型は全ての細胞に存在いたしますが、Ⅱ型は男性型脱毛部と髭という男性ホルモンに感受性及び依存性をもつ部位の毛乳頭細胞に発現していると言われています。
プロペシアの効果は、日本での臨床成績が万有製薬から国内長期投与試験(3年間)の結果から見られるように3年後の改善度が目に分かるほど脱毛が抑制され、発毛が促されて男性型脱毛症の改善がなされています。
また、この傾向は毛髪サイクルの休止期が3~4ヶ月と言われていますので早い方で服用後3ヶ月程から効果が目に見えるようになると言われています。
次の表は、プロペシア錠の服用量による改善度を示したデータです。
この表から読み取れる事は、服用量を0.2mgと1mgを一年間服用し続けた結果ですが、改善効果の有意差は見られませんでした。との結果が出ています。
※服用の中止
服用を止めますと男性型脱毛症が進行し毛髪が元に戻る傾向が有ると言われています。
【改善効果】
副作用の報告はリビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少、睾丸痛、下痢、胃不快感、腸内ガス、高脂血症、熱感等が臨床試験時に報告されているとの事です。
これらの症状が出た場合、プロペシアの服用を中止することにより無くなります。
万有製薬の国内臨床試験結果では、「1年間のプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、プロペシア®錠1mg群での副作用発現頻度は5.0%(139例中7例)、0.2mg群では1.5%(137例中2例)であり、副作用発現頻度はプラセボ群との間に有意差は認められませんでした。なお、1mg投与でのオープン試験を実施した374例において2年目以降の副作用は、4例5件(1.1%)に消化器症状や発熱等がみられましたが、性機能に関する副作用はみられませんでした。」とこのことです。
※プロペシア®は女性や未成年者が服用してはいけません。特に、妊娠中か、その可能性のある女性は、砕けたり割れたりしたプロペシア®の錠剤をさわってもいけません。胎児の生殖器に異常を起こすおそれがあります。
プロペシア®は全国の皮膚科などの医療機関を通して販売され、購入には医師の診断・処方箋が必要となります。
ミノキシジルは当初、血管拡張剤として高血圧の服用薬として販売されました。後に副作用として脱毛症を回復させる効果が現れ1980年代に米国・ファルマシア・アップジョン社(現在:ファイザー)が脱毛症の治療用として外用溶液(ロゲイン®)の販売を開始致しました。(1988年、FDA(米国食品医薬品局に認可)
日本では大正製薬が販売権を獲得して医薬部外品として1999年よりミノキシジル成分1%の『リアップ®』が販売されています。
米国・ファイザー社が販売する外用薬「ロゲイン®」にはミノキシジル成分が2%・5%がありますが、日本では副作用を考慮して1%の『リアップ®』が発売されました。また、商品名が異なるミノキシジルが海外で発売されていますが、ファイザー社がライセンスを他社に供与していることから数銘柄のミノキシジルが販売されています。
ミノキシジルの効果は、万人に効果があるとは言えません。効果が覿面に現れる方、そうでない方とバラつきが有ると言われています。
また、ミノキシジルの使い方や体質によっても結果が大きく違うとの事です。
ミノキシジルの副作用として発疹、かゆみ、かぶれ、頭痛、めまい、動悸、胸痛などが報告されており、このような異常があった場合には利用を中断し、医師に相談することが必要です。